Web業界フリーランス知識
フリーはCIを勉強しておこう !
フリーになると、企業デザインが断然メインになってくると思いますが、企業デザインをするにあたって、CIを学んでおくことをお薦めします。
フリーになるとなんでも一人でやらなくちゃいけなくなるので、いろいろ人から教えてもらうこともできなくなりますし、ガッツリ大企業と四つに組んで仕事をするということもなくなると思うので、あんまり無茶して学ぼうとする必要性もないと思いますが、概念としては知っていて損することはないと思いますよ。

最近はCIも、書店にその手の専門書を見かけなくなりました。あってもデザイナー向けの本などでロゴマークの作り方みたいなCI本が出ていて、なんとなく言葉は知っていると思います。でも、ロゴマークや印刷物を一新することがCIだと思っているデザイナーがかなり多いのには驚かされます。それはCIではなくてBIです。日本で現在定着しているCIはBIだといっても言い過ぎではないですね。もちろん一部の大企業では、CI戦略室があって、かなり本格的に取り組んでいるところもまだまだあります。

CIは結構かわいそうな道のりを歩いていて、アメリカから輸入されたとき、その企業の存在意義を根底からひっくり返してしまうような革新的な概念に各企業が尻込みし、これは儲かると大手広告代理店が金がかかるようにBIと混合させて広めてしまったという二重苦が、日本での定着をおかしな形で進めてしまった原因かもしれません。
でも、ごちゃごちゃ言うつもりはないんですよ。ごくたまに中堅企業のCIの仕事に関わったときでも、クライアントがロゴマークやカラーリングだけだと思っていれば、変な突っ込みいれずに何も言わず一生懸命仕事しますよ、私は。クライアントは神様ですからね。

IT系をやっていると話の初めだけ聞いて、古くせ〜!! と思うかもしれませんが、概念は恐らく2世紀ぐらい先まで通用するかなり尖った物事の核心に迫った概念なので、挑戦してみてください。企業デザインとは? 企業美とは? という本質の問いかけの答えが、かなり含まれている概念だと思いますので、ぜひ企業デザインに関わるのであれば、一度は学んでおいた方がいいと思いますよ。
できれば日本のCI導入初期、NTTやワコール、ケンウッドなどが社名変更期から導入した時期、今は無きPAOSデザインが頂点に君臨していた頃のCI戦略と概念を学んでみてください。

ただ、その頃の本はすべて廃刊になってますし、古本屋などでも手に入るかどうかちょっと怪しいかもしれません。(手に入っても専門書なので古本でも数万はします) 私は偶然にもCIを教えてくれた師匠がPAOSデザイン解散後の設立メンバー直系の弟子だったので、余計な散財をせず、どの本を参考にすればいいのか手探りで探さなくてよかったですが、それでも一冊数万する本を十数冊探しまくって手に入れた記憶があります。
安い最新刊を継ぎ接ぎしながらああかな? こうかな? と推論していくのも、なかなか楽しい作業なので、こちらもお薦め。ネットではあんまりたいした情報が手に入らなかったので、やはり本やCICJ(日本CI会議体)などで学ぶしかないのかなぁ。

あとはやる気と負けん気と財布の中身と相談して、御茶ノ水古本屋街へGO !!