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グラフィックデザイン産業はフリーデザイナーの時代 ?
2004年、米Strategies For Managementは、米国グラフィックデザイン産業の動向を報告しています。
( ITmedia News の分析を参照してください)

アメリカで起きている現象は2〜5年遅れで日本でも起こることが多いので、時期的に私は結構注目しています。
要約すると、グラフィックデザイン会社企業単位で雇用されている平均人数は1〜4人、多いところでも10名未満。一方、創立されるグラフィックデザイン会社は増え続けているけど、上位1%の企業がほとんどの市場売上を満たしてしまっているという状況を説明しています。
同時にフリーランスデザイナーの市場規模と人数は増えており、アメリカのグラフィックデザイン産業を支えるのはフリーランスデザイナーが底辺を支えていると結論づけたいのだと思います。

そんなこと言われなくたってずいぶん昔から日本だってそうだ! と、言いたいのは山々ながら、日本での状況はちょっと違ってくるかもしれません。

厳密にはグラフィックデザインとWebデザインは違うのだけれども (何年か後にはグラフィックデザインに統合されてしまうとは思いますが) Webデザインにだけ絞って言えば、慢性的な人材不足ということと、ベンチャー企業のビジネス性という部分が大きいと思います。

およそ業界の8割を占めるWeb、IT会社はいわゆるベンチャーの括りになるでしょう。
ビジネスを客観的に解釈すると、「ビジネスとはどれだけ短期間で現実的な利益に結びつけるか」ということです。ベンチャー企業側からすれば、そのための大事なセクションにデザイナーとして人材を当てはめたいと考えているわけですが、デザイナーというのはその専門性からか、コストが分からない、損益計算書が読めない、利益が分からない、ビジネスモデルが分からない、という人材が大半を占め、人材の費用対効果が見えにくい存在になってしまいがちです。デザイナー側からすると、希望に胸膨らませ、何でも教えてもらえると修行感覚でやってくる・・・
その結果、折り合いがつかなくなって、社内の新陳代謝が促進されていまうという現状が起きています。

そんな人手不足ならぬ人材不足の中、固定人件費のかからない、多少なりとも修羅場を潜り抜けてきたフリーランスという存在に白羽の矢が立つということが多いようです。
フリーランスは意外と経営に携わってきたり、ビジネスモデルにかかわったりしていることが多いので、面白いアイデアや暗黙の了解が理解されていて使いやすかったりするみたいですね。

ITmedia Newsの最後に「同社社長のウェッブ博士は、フリーランスデザイナーによる「社員1人だけのバーチャルなデザイン会社」が、これからのグラフィックデザイン産業における中心的存在になっていくだろうと分析している」とありますが、まさに私が今その状態なので、もしかして私、最先端 ?